若くして死んだカリスマミュージシャンとその後も続く人生を生き延びた元ミュージシャン。
今日は、20年前にミュージシャンだった人と話す機会があった。当時彼のいたバンドは超メジャーなE社と契約し、単独で渋公を売り切れにするぐらいの人気だった。BOOWYとほぼ同期だったそうでバンドだから楽しかったけど、バンドだから難しかったという言葉が印象的だった。
その後彼は運送会社の運転者のバイトで食いつないだ。でも免停になって即解雇。その後、どのアルバイトも長続きしない。その後やっと奥さんのご実家の縁で、ある会社に入社。40歳を超えてやっと正社員になれたんだ、彼はうれしそうに話す。健康保険にも加入できて嬉しい、という表情が忘れられない。
俗に27歳クラブといわれ、音楽の世界では27歳で他界したミュージシャンが多い。ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリスン、カート・コバーン、ロバート・ジョンソン、マニックスのリッチー・ジェームス、そして最近ではエイミー・ワインハウス。
人生は長い。レコード会社から解雇されても、人生は続く。同じ時代で今も脚光を浴びた仲間を眩しく思いながら、それでも人生は続く。僕は華やかな脚光を浴びた後も一生懸命に生きている元ロッカーたちを同じ音楽ファンとして応援したい。「パンクとはファッションではない、生きる姿勢だ」と言ったのはクラッシュのジョーストラマー。家庭を守り、納税の義務を果たして、真面目に生きること。これってやっぱカッコイイよ。うん、死ぬよりもやっぱり生きていることの方が重要だ。
音楽はリズムやメロディーの楽しさだけでなくて、いろいろなことを僕たちに教えてくれるんだ。
「善行に励み、悪徳を避けろ、人間らしく生きろ、他人の苦しみに同情を持て、人生に耐え、人を理解することに努めよう。人生は楽しい。死ぬより ずっといい。(ジョー・ストラマー)